講義0.3 いまなぜ「コンセプチュアル思考」か?
◆カッツが唱えた「コンセプチュアル・スキル」 経営の分野でコンセプチュアル能力の重要性を唱えた一人に、ロバート・L・カッツがいます。彼は、『ハーバード・ビジネス・レビュー』(1974年9月号)に寄稿した「Skills of an Effective...
講義1.3 抽象と具体
◆抽象とはある要素を引き抜き把握すること 抽象という言葉ほど、本来の意味をじゅうぶんに理解されていない言葉もありません。「抽象的である」は、「あいまいでわかりにくい」というような二次的な意味に色が染まってしまい、ネガティブなニュアンスの言葉になった感があります。...
講義1.4 「一」対「多」
◆「on=~の上に」ではない!? 私たちは日々、事業の現場で雑多な情報や状況に対処しながら仕事を進めています。そのときに、物事を抽象化してとらえる能力はきわめて重要です。それは目の前の課題を処理する直接的な知識や技術よりも重要かもしれません。なぜなら、物事を個別具体的にと...
講義1.2 「π(パイ)の字思考プロセス」抽象化→概念化→具体化
◆雑多な事象・経験の中から本質を抜き出す=「抽象」 コンセプチュアル思考は、「コンセプチュアル=概念的な」という語が示すとおり、中軸は概念化の思考です。それがどんなものかイメージしていただくために、一つ簡単なワークを紹介しましょう。...
講義0.2 コンセプチュアル思考とは何か?
「コンセプチュアル思考(conceptual thinking)」は、すでに一般的な定義がされているものではありません。が、ひと言で表現すると 「その物事が何であるかをとらえる思考」と言っていいでしょう。 「コンセプト|concept」というと、何か企画を起こすときの軸とな...
講義0.1 知の思考・情の思考・意の思考
◆ますます必要になる「考える」ことのリテラシー教育 「読み・書き・そろばん」―――世を生きていくための基盤能力として昔の人はこの3つをあげました。こうした万人が修養すべき基盤能力を英語では「リテラシー(literacy)」といいます。昨今、その概念の適用は、「情報リテラ...