

講義2.3.3 【演習】ロールモデルを探せ
前回、類推(アナロジー)とは、物事Aと物事Bの間に類似性を見出し、その似ている点をもとにして何かをおしはかることであり、その能力に強い人は、物事Aで引き出した本質を物事Bに適用することがうまい人であることを学びました。ケーススタディ学習やビジネスモデルの横展開も「πの字思考プロセス」による類推のひとつでした。 では、演習をひとつやってみましょう。「ロールモデルを探せ」と題したコンセプチュアルワークです。ロールモデルとは「その役割を果たす模範的な存在」をいいます。簡単に言えば、「あの人のようになりたい」と思い、その人の行動や考え方から学ぼうとするお手本です。「学ぶ」という語は、「真似(まね)る」から来ていると言われるように、だれかにあこがれをもって、その人を真似ることは、人間の学習の原形でもあります。
この演習はロールモデル(模範的存在)の解釈を人だけでなく事物にも広げ、「生き方」「働き方」「事業・商品・サービス」「会社・組織」の4項目に分けて探そうというものです。 【演習】下のワークシート使用
〈1〉具体的なモデルをあげ、
〈2〉なぜそれを

講義2.3.1 アナロジーの力~寓話『魔法使いの弟子』から何を引き出すか
私たちは大人になって、子どものころ耳に入れた寓話をときどき思い出します。現実の人生の荒波にもまれるなかで、寓話が発していたメッセージが重なるなと再認識するからでしょう。寓話だけではありません。例えばテレビのインタビューで、ある分野の達人が発したコメントに対し「うーん、なるほど名言だ」と感じるときがあります。古典的な寓話や第一級の人物の言葉のなかには、時を超えた道理があって、それを通して複雑な人生を理解することができます。 このような思考の背後には、「類推」がはたらいています。類推とは、物事Aと物事Bの間に類似性を見出し、その似ている点をもとにして何かをおしはかることです。論理用語では「アナロジー」と言います。概念化能力に強い人は、物事Aで引き出した本質を物事Bに適用することがうまい人です。また、比喩表現も類推のひとつです。複雑な物事を何か簡単な喩え話にしたり、たくみに喩えられた表現を豊かに解釈できたりするのも、コンセプチュアルな能力が鍛えられてこそです。 ◆寓話の教えを現実生活に役立てる
『魔法使いの弟子』という寓話をご存じでしょうか。ヨーロッ