講義2.4.1 コンセプトの精錬法[4]~置き換え

物事のとらえ方を精錬する方法を6つに分けて紹介しています。きょうはその4番目―――「置き換え」です。 ◆4-a)土俵を変える 考えようとする対象の置き場所・置き方を変えてみることで、何か違ったものが見えてきたり、新しい概念へと発展したりすることがあります。 大塚製薬は病院向けの点滴注射液で業界トップの企業です。生理的に身体によく吸収される液体の製品技術を医療用という土俵以外にも広げたい。そこで目を付けたのが、一般消費者向けの飲料市場だったのです。「スポーツドリンク」という概念を起こした『ポカリスエット』は、土俵を変えることで生まれた商品です。 ◆4-b)文脈を変える ピーター・ドラッカーの著書『マネジメント』のなかに、イヌイット(カナダ北部などの氷雪地帯に住む民族)に冷蔵庫を売ったセールスパーソンの話が出てきます。屋内でも暖房の入っていない部屋では、簡単に物が凍る地域でなぜ冷蔵庫を売ることができたのか。───それは物を冷蔵するための製品ではなく、物が凍結しないようにする食物庫として売り出したからです。すなわち、文脈を変えて訴求したのです。ドラッカーはこう書いています。 「イヌイットに対して、食物の凍結防止のためとして冷蔵庫を売ることは、新しいプロセスの開発や新しい製品の発明に劣らないイノベーションである。(中略)イノベーションとは発明そのものではない。それは、技術ではなく経済や社会のコンセプトである」。 日清食品の『カップヌードル』も米国市場進出の際に、商品を訴求する文脈を変えることで成功を収めました。同社は当初、ラーメンを前面に押し出して売りましたが、なじみのない食品に、

講義2.4.1 コンセプトの精錬法[3]~ものさし変更

コンセプトを研ぎ澄ませる方法を6つに分けて紹介しています。きょうはその3番目―――「ものさし変更」です。 ◆3-a)目盛りを変える 私たちが物事を見るとき、そこにはたいてい価値を測ろうとする意識がはたらいています。例えば「それは損か得か」「AとBはどちらの価値が高いか低いか」「自分よりも上か下か」「それは右にあるか左にあるか」など。すなわち、自分の目には「ものさし」が付いているのです。そのものさしを柔軟的に変えることで、物事のとらえ方はちがってきます。その一つは、目盛りを変えることです。 例えば、米国の卸小売業コストコ社は、販売単位の目盛りを変えたことで、小売業の概念変えました。一般客に1個1個売るのではなく、1ダースや1箱というホールセール単位で売りはじめたのです。 ◆3-b)目盛りをなくす また、自分の目に付いたものさしを取っ払ってみると、不思議で新鮮な感覚を取り戻すことができます。 瀬戸内海に浮かぶ直島(香川県)には現代アートが島中に点在しています。そのなかの一作品『家プロジェクト|南寺』(ジェームズ・タレル創作、安藤忠雄設計)は、真っ暗な空間をモチーフにした作品です。鑑賞者はただ闇のなかに放り込まれるだけ。そこには右も左も、上も下も、前も後ろもありません。何が鑑賞すべきものであるのかもわかりません。鑑賞者は認識の目盛りをなくした状態でたたずむしかないのです。そうして10分ほどして見えてくるものは……? この作品は、知識や情報、先入観によって何かを評価するのでもなく、理解するのでもなく、ただ感じようとするその体験の時空そのものを作品化したものです。 ◆3-c)目盛りを

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