講義2.4.1 コンセプトの精錬法[2]~視点の移動・創出

コンセプトを研ぎ澄ませる方法を6つに分けて紹介しています。きょうはその2番目―――「視点の移動・創出」です。 ◆2-a)見る位置を変える 物事を見る位置を変えることは、コンセプチュアル思考を鍛えるうえでもっとも基本的な作業です。 かつて、音楽を売りたいと考えている人たちは、演奏曲をレコードにして聴かせよう、買わせよう、としてきました。これは一つの視点です。しかし、あるとき、流行歌を伴奏に乗せて歌いたいという側に立って、音楽ビジネスを見た人がいました。 「カラオケ」という新しいジャンルのビジネスの誕生です。楽曲という一つの資源について、見る位置を変えることで売る方法はいくつも開発されます。 ◆2-b)枠の外からながめる 私たちは通常、ある論理体系のなかで物事を考えています。いわば枠内での思考です。その枠からいったん自由になって物事を考えてみる。そうした枠はずしを壮大にやってのけたのが、地動説を唱えたコペルニクスであり、相対性理論を唱えたアインシュタインでした。「パラダイムシフト」と呼ばれる認識体系の大転換はまさにそうした非常識な視点移動から起こります。 規模は違えど、ビジネスの世界でも既存の枠からはずれたところの視点で画期的な考え方を打ち出す例はたくさんあります。例えば、米国のジレット社は、ひげ剃り用の安全カミソリを柄の本体部分と替え刃の部分とに分離する商品を発売しました。柄は繰り返し使うことができ、刃を換えていく。これが世に言う「消耗品ビジネス」「替え刃モデル」の起こりです。本体を製造原価に近い安値で売って広く普及させ、消耗品で利益を上げる。理想科学工業の年賀状印刷機『プリ

講義2.4.1 コンセプトの精錬法[1]~結合・分離

このウェブ講義では、「コンセプチュアル思考」における5つの基本スキルを順次解説しています。今回から数回にわたって、その4番目のスキルである「精錬」についてみていきます。 私たちは往々にして、自分のなかにいったん取り込んだコンセプト(本講義では、コンセプトを字義的に「内に取り込んだもの」と広い意味でとらえており、いわゆる企画意図としてのコンセプトから概念、さらには観念的、信念的、理念的な意味合いまで含んでいます)を固定化させてしまう傾向があります。コンセプトは自分のなかの考え方の秩序をつくる骨格ですから、それを頻繁に変えたくない心理がはたらくためです。しかし、どんな概念も完全な終止形ではありません。コンセプトは自分が変わっていくとともに、また、環境が変わっていくとともに、変化が必至のものです。さらには、いまだ概念化されていないことが世の中には無数あり、あなたによってとらえられることを待っているかもしれません。 そういったことから、4番目のスキルは、物事を「しなやかに鋭くとらえる」ことにフォーカスします。物事のとらえ方を精錬していき、コンセプトを変更したり、新しいコンセプトをつくったりする能力についてみていきます。 ◆商品や技術は磨かれたコンセプトを欲している 世の中にはコンセプチュアルな能力を研ぎ澄ませて仕事にしている人がたくさんいます。例えば、商品企画者です。ヒット商品の成功要因というのは、その具体的なアイディアが語られがちですが、実のところ、アイディアから入る企画者は単発的にヒットを当てても、継続的にヒットを生み出すことはできません。優れた企画者は、必ずと言ってよいほど、コ

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