![講義2.4.1 コンセプトの精錬法[6]~喩え](https://static.wixstatic.com/media/0c6906_ea3636e63a974b5c96cc6b36f30081c7~mv2.png/v1/fill/w_319,h_240,fp_0.50_0.50,q_95,enc_auto/0c6906_ea3636e63a974b5c96cc6b36f30081c7~mv2.png)
講義2.4.1 コンセプトの精錬法[6]~喩え
物事のとらえ方を精錬する方法を6つに分けて紹介しています。きょうはその6番目―――「喩え」です。 ◆少女につかみ取った美しさを「蛭の脣」に喩える
本講義で何度も触れてきたように、「コンセプチュアル思考」でいう「コンセプト」とは、物事の本質をつかむこと、そしてそのつかんだ内容です。 私たちは物事を見つめ、そこから何か本質的なことをつかみかけたとき、それをさらに確かなものにするために、何かわかりやすいものになぞらえてつかもうとします。それが、今回のテーマ「喩え」です。 例えば、川端康成の『雪国』に出てくる一節─── 「細く高い鼻が少し寂しいけれども、その下に小さくつぼんだ脣(くちびる)はまことに美しい蛭(ひる)の輪のやうに伸び縮みがなめらかで、黙つてゐる時も動いてゐるかのやうな感じだから、もし皺(しわ)があつたり色が悪かつたりすると、不潔に見えるはずだが、さうではなく濡れ光つてゐた」。 もしあなたが目の前にいる少女に何か美しさを感じ、見入ってしまったとしましょう。彼女の美しさの本質がどんなものであるか、それを表現したいときに、直接的な説明文ではどう
![講義2.4.1 コンセプトの精錬法[5]~研ぎ澄まし](https://static.wixstatic.com/media/0c6906_4d75c3d46d9f4f8eaa0f575bbe883e99~mv2.png/v1/fill/w_319,h_240,fp_0.50_0.50,q_95,enc_auto/0c6906_4d75c3d46d9f4f8eaa0f575bbe883e99~mv2.png)
講義2.4.1 コンセプトの精錬法[5]~研ぎ澄まし
コンセプトを精錬する方法を6つに分けて紹介しています。きょうはその5番目―――「研ぎ澄まし」です。 ◆5-a)エッジを立てる
広告やメーカーの世界では、コンセプトという語を「一連の広告キャンペーンのコンセプトは」とか「ある自動車メーカーがコンセプトカーを出展し」などというように、「先鋭化させた意図・着想」の意味で限定的に使っています。 世の中に次々と起こる流行やトレンドは、だれかが物事の先端をとらえ、そのとらえた内容を鋭く表現し、差し出すことで生まれてきます。広告の世界には、そうした「エッジ:edge=端、刃」の立った表現の見本をたくさん見つけることができます。 例えば、「モーレツからビューティフルへ」(1970年、富士ゼロックスの広告)のような時代を画するメッセージ。さらには、大衆から「少衆」「分衆」(1985年)へというような新しい概念の提起です。 また、「なにも足さない。なにも引かない。」(サントリー『山崎』、西村佳也)、「一瞬も 一生も 美しく」(資生堂、国井美果)、「ほしいものが、ほしいわ」(西武百貨店、糸井重里)、「おしりだって、洗