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講義1.5 「コンセプト|concept」とは何か?

◆抽象によってとらえた内容―――それが「コンセプト」 その物事が何であるかを考えるとき、そこから要素を引き抜く形が抽象化ということでした。その抽象によって「とらえた内容」――そこには、本質的なことやおおもとの「一」なること、いくつかの物事を括る共通性などが含まれていました――をここでは「コンセプト|concept」と呼ぶことにします。

conceptという英単語は、強調の接頭語「con-」に語根「cept」が付いた形です。ceptは語根「ceive=つかむ・受け取る」の名詞形です。したがって、conceptは「しっかりとつかんだもの・内容(そして自分の中に取り込んだもの・内容)」がおおもとのニュアンスです。

同じ語根を持つ単語にperceptがありますが、これは「(感覚器官による)知覚」です。conceptはこの知覚したことを、さらにそれが何であるかという理解や解釈、構成にまで進めるはたらきです。一般的には「概念」という訳語が与えられています。ちなみに、このconceptには「受胎」という意味もあります。たしかに、語根が「つかむ・受け取る」ですからうなずけます。また、ドイツ語でも「概念」にあたる語は「begriff」であり、これも「つかむ」の意味です。

◆人間は概念によって頭の中を秩序立てたい動物 いずれにせよ、私たちは抽象して何かをとらえようとする。しかしそのとらえた内容、すなわちコンセプトは、最初の段階では「粗い念」で、いまだ曖昧模糊としています。理性的な動物である人間は、そのようなモヤモヤとした状態が嫌いなようで、とらえた内容を言葉として定着させようとします。そう、「定義化」です。物事を定義することによってはじめて、「粗い念」だったコンセプトは輪郭と中身が与えられることになり、より確かにとらえられた状態になるのです。人間はそうした安定した状態を好みます。頭のなかを理という秩序で治めたいのでしょう。ともかく、そうした言葉の定義によって生まれるのが「概念」です。

ここではひとまず「コンセプト」ニアリー・イコール「概念」と考えてよいのですが、より深く考えていくと、コンセプトは概念のみならず、観念、理念、信念といったものと地つながりであることも見えてきます。そのことを次のセクションで説明しましょう。

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